秋冬の皮膚病について(3)

前回に続き、秋冬に発症しやすい皮膚病をご紹介します。
今回は乾燥肌です。

秋から冬にかけて乾燥肌になる方、1年を通して乾燥肌の方がいらっしゃると思います。
まず乾燥肌になる要因として大きく分けますと、以下の2つが考えられます。

【角質層】
角質層の細胞は死んだ表皮細胞です。細胞自体で水分を作ることはできません。
そのため、天然保湿因子(脂肪酸、水分、皮脂成分、セラミド、コレステロール)の補給が必要となります。
補給がないと簡単に乾燥し、白い粉をふいた皮膚になります。
【加齢】
加齢とともに、「皮膚角質層に放出される天然保湿因子」と「皮膚付属器(汗腺、皮脂腺など)からの水分と皮脂」の絶対量が下がります。
60歳以上の角質層は若年層の約1.5倍厚いため、若年層より1.5倍の水分補給が必要となります。
また、加齢とともに運動量(発汗量)が下がるため、冬期間は60歳以上の95%が乾皮症です。

乾燥が気になる方は下記を意識してください。
・一日2リットルの水を飲む
・ビタミンE、タンパク質ビタミンB2、B6を含む食材を積極的にとる
・風呂上がりに保湿剤を塗る
・肌を擦らない
・外気が肌に触れないようにする

当院では、肌の症状に合わせたお薬と保湿剤を院内処方しておりますので、皮膚のトラブル、お悩みをお持ちの方は予約の上ご来院ください。

神保 孝一